蒸し暑かったダルに比べ、キリマンジャロの麓はとても涼しい。むしろ寒い。シャワーが冷たい。あんなにも気合いを入れてシャワーを浴びたのは生まれて初めてだ。そんな肌寒い朝早くに、ムイカのホステルを出発、タランギーレ国立公園へ向かった。その道中、うれしい事にキリマンジャロが顔を出していた。思わずさわやかに言ってしまった。
「おはよう!!キリマンジャロ!!」
と、心の中で。
アフリカ大陸最高峰、5895m。
キリマンジャロに来る前に、偶然ザンジバルの空港で出会った日本人の旅人から
「この時期はキリマンジャロの山頂までは見れないよ」と聞いていたので、
感動が大きかった。
さすがに眠気も冷めた。
忘れずにキリマンジャロをバックに記念撮影をし、国立公園へ再出発。
道中にはキリマンジャロのほかに、マサイ族の集落や、マーケットなども発見。
ドライバーやジェームズが丁寧に説明をしてくれた。しばらく窓越しにキリマンジャロを眺めつつ、陽気なドライバーのジョークに笑いながら、
ついにタランギーレ国立公園に到着。
エントランスにたくさん動物の骨が並んでいた。生きてる動物見る前に骨ってね。なんかね。
エントランスからしばらく車を走らせると、これぞサファリ、これぞ「AFRICA」。
見渡す限り草原、時々バオバブ、たまーに、遠くに象の群れ。
タランギーレは世界遺産に登録されているセレンゲティ国立公園や、ンゴロンゴロ保全地域に比べると知名度はそんなに高くないが、別称「バオバブ公園」と呼ばれているように、バオバブが多い。公園の中でもよく幹がえぐられたバオバブをよく目にしたが、それは象がバオバブに含まれる水分を好むためらしい。(大きいものには10トンもの水分が含まれると言われている)
余談だが、バオバブはアフリカの人々に昔から親しまれていたらしく、バオバブの実をお菓子代わりに食べたり(ジェームズとドライバーも大好き)、その種から油を抽出したりするらしい。せっかくだからバオバブの実を食べてみたが、舌触りはなんかぱっさぱさのラムネみたいで、味は・・・あったような、なかったような。え、気になる? なら食べてみてください、アフリカで。
タランギーレ国立公園、さすが本物のサファリ。車が踊る踊る。私達だけじゃなくきっと車もサファリが楽しみで仕方がなかったんだろう、踊る、踊る。車から振り落とされないように必死に踏ん張っていた。気を抜くと頭をぶつけてしまうから。
動物なんてそっちのけでとにかく車にしがみつくのに必死だった時、
ドライバーが叫んだ・・・。
「あそこに象がいる!!」
その瞬間全員が立ち上がり車の天井から遠くを見渡すと、茶色い点がぽつぽつ。
遠っっっ!! ドライバーよく見つけたね。上の写真、10倍ズーム。そうとう遠いのがわかるでしょ?
もっと近づけるということで、さらに接近。
もちろん車は相変わらずご機嫌で、もちろんその中で私達は激しく揺られ続けた。
あんなにも遠くにいた象の群れが、
えっ! こんな近くに!
迫力満点というか、なんというか。
ゆーーっくり動く象の群れを見ていたら
なんだか心が穏やかになった。いや、穏やかなのはもともとなんだが、
さらにね、穏やかさが増したよね。
車に弄ばれ、動物に癒され、数時間、やっとお昼時。お弁当の時間。といってもおにぎりや卵焼きはありません。
お弁当のいい匂いに腹の虫も鳴く。
しかしお腹を空かせていたのは私達だけではなかった。
弁当ハンター「猿」。
こいつらがまたやっかい。前から後ろからお弁当を狙ってくる。
結局近くで食べていたフランス人のおじさまがバナナとられてた。
めっちゃキレてた。
それにしても、猿にバナナとられるって笑 真っ先に警戒するよね、バナナは。
ベタにいったね、この猿も。
お腹も満たされたところで、出発。
でこぼこ道をまたひたすら。
残念ながら午後は動物をなかなか見つける事ができなかった。
もう見れないかな・・・、と諦めかけていたその時!!!!
ふと後ろを振り向くと・・・
え!! みんな寝てるじゃないか!
連日のハードスケジュールと車の揺れとの戦いにみんな力つきたみたい。
僕はというと、ジェームズとドライバーの二人が必死に動物を探してくれていたので必死に睡魔と戦っていた。
でも起きていたから見る事ができた動物も。ほら
ウォーターバック
ヒヒ
インパラ
あとは皆で見つけたまつ毛がキュートなキリンさん。
でも、ゾウさんの方がもーーっと好きです。ってね。
初めてのサファリ。壮大な景色、野生動物の群れ、富○サファリパークとはきっと比べものにならない。ただ車に乗っているだけの数時間。しかしそれも実はかなりのハードワーク。まだまだ1日目にして、サファリ、そしてアフリカ人のタフさを身を以て思い知らされた。
夜はアルーシャにあるホステルに宿泊。
始めは不思議に思っていた蚊帳にもなれ、
むしろある方がほっとするようになっていた。
夕食をホステルのレストランでとり、シャワーを浴び、まもなく就寝。
明日も早起きだ。
明日は遥か昔の火山活動でできたクレーターのある、世界遺産、ンゴロンゴロ保全地域へ行ってQ。
なんつって。