About Me

イギリスから帰国した日本人大学生が設立。タンザニアとケニアへの訪問で学んだ事をもとに日本と東アフリカをつなぐ活動をする学生団体。共通の分野は開発であるが、細かいジャンルは経済、教育から文化までそれぞれ。今現在タンザニアの小さな村の幼稚園設立プロジェクトに携わっている。メンバー募集中。
Japan East Africa Network is a student organization that has been established for people around the world to be able to get to know east African countries. Each of the members have begun to do his/her own research on their unique topics of local Eastern African people's everyday life.
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English website
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Sunday, 24 April 2011

タンザニアトリップ ムイカ編


ザンジバルを発ち、次に向かった先はキリマンジャロ。言わずと知れたアフリカ最高峰の山キリマンジャロの周辺のアルーシャ、モシといった街には、サファリ観光客、キリマンジャロ観光客であふれ返していました。キリマンジャロ周辺は高地にあるため、空気が乾燥し朝晩も肌寒くなる程です。湿気が多く一日中蒸し暑かった、ダルエスサラーム、ザンジバルとは対照的に非常に過ごしやすい気候です。初日は、ジェームズに連れられてムイカという小さな村に向かいました。ムイカはモシから車で一二時間くらいの距離にある小さな村で、ジェームズが所属する教会コミュニティーやジェームズの教育プロジェクトの拠点も構えてあります。



初日はジェームズの所属する教会のホステルに泊めてもらいました。この教会コミュニティーはムイカの地元の人々が所属するもので、教会はドイツの教会からの寄付で設立された、とのことでした。ムイカでは電気が止まる事が日常茶飯事であるため、自家発電機能を備えた施設が多いのですが、このホステルではソーラーパネルを利用した自家発電システムを備え付けていました。


教会のホステルに着いた後向かった先は、地元の「ママ」達の家です。タンザニアでは、婦人達のことを親しみを込めて「ママ」と呼びます。そのママ達の家で夕飯をごちそうさせて頂けることになったのです。豚肉の煮込みから焼いたバナナ、焼き豆などタンザニアの農村の典型的な料理が僕たちを待っていました。キリマンジャロで有名なだけにコーヒーもとてもおいしかったです。この「ママ」達は普段ブティキ、カンガと呼ばれる生地から、オーダーメードの服を作って売っています。実際にこのママ達が作ってくれたブティキやカンガといった生地は、常夏のタンザニアの天気でも大変過ごしやすいよう作られています。ダルエスサラームなどの気候は夏の日本と似ている(湿気が多く、気温が高い)ので、日本で着るにも適しているようです。また、ブティキとかのデザインもシンプルなデザインから凝ったデザインまであり、日本で売っていてもかわいらしいなと思えるようなデザインでした。さらにこのママ達の活動で特徴的であったのは、孤児支援に力を入れている点です。この活動で得られた収益は、地元のコミュニティーの孤児達の生活支援にあてられているとのことでした。生活に必要最低限以上の収益は慈善活動にあてられるというこの仕組みは、NGOや社会的企業でよく見られますが、このママ達の活動のように、NGO的な活動をしている団体はタンザニアには多くありました。停電であったため、ろうそくをともしながら食事を楽しみました。ママ達の家をでると、空には一面に天の川が広がっていました。東京やロンドンはもちろん、ダルエスサラーム、ナイロビですら見えない程の満点の星空でした。







その後は、地元の大学に通う学生の家を訪問し教育に関するインタビューをしました。学生組合の代表をやっている方で、年齢も30代前半で奥さんもいました。彼と奥さんはともに教育を勉強されていたということでした。以下に、インタビューで聞いた事をまとめてみたいと思います。

主要な産業がないタンザニアでは、教育や医療に携わる仕事が最も安定的であると一般に見られている。
医療や教育の学部を選ぶ学生に対しては、成績に応じて奨学金が与えられる。
数年前より、タンザニアでは初等教育の無料化が実施された。(現実には無料化ではない、との批判も多いが)その結果、生徒の数に対して教師の数が少なくなり、現在教師不足が懸念されている。
教材不足が問題なっている。インターネット環境はもちろん図書館の本や教科書と言った教材が不足しているため、十分な初等教育がなされていない。
インターネットの普及は拡大しているが、未だインターネットが教育に用いられていない理由:①コストが高い②インターネットリテラシーが低い
大学院進学が難しい。大半の学生がローンを組んで学費(約$1000)を払うが、ローンを返済しきった後でしか、大学院進学はできないという規制がある。そのため、大学院に行きたい学生は数年働く必要がある。この過程の場合は、夫婦共に教師資格をもつため、片方が教師として働く傍ら片方が大学院へ行くという計画を立てているそうです。

James宅でホームステイをさせて頂きました。
タンザニアの農村では、核家族以上に親戚も一緒になって住んでいるようです。(※補足、マサイの村には、旦那一人、奥さん21人、子ども63人というコミュニティーもありました。中には学校もありあらゆる施設があるとのことです。このように、田舎では家族をベースにしたコミュニティーが多く存在しているようでした。それにしてもこのマサイのお父さんは大分頑張りましたね。)

ジェームズのお父さんやジェームズのおじさんをはじめ、奥さん、いとこ等とも会ってきました。おじさんは、現役時代は電機メーカーフィリップスのナイロビ支店で働いていたエンジニアということで、非常に博識でタンザニア政治、経済、社会保障についてアツく語ってくれました。夜には、ジェームズの教育プロジェクトについて議論を交わしました。ジェームズのプロジェクトの一つは、金銭的理由で中高等教育を受けられない子ども達を対象とした職業訓練学校です。タンザニアには、金銭的理由で初等教育を受けた後に中高等教育課程にすすむことのできない子どもが沢山います。そうした学生に対して職業訓練(裁縫やPCリテラシー、大工等、英語)の機会を与え、職業選択の機会を増やし、また高等教育に進学できる学生を増やす事が目的です。もう一つは、初等教育以前の幼児教育です。幼稚園を設立し、地域の子ども達が初等教育でドロップアウトしないよう早い段階から教育を図る事が目的です。基本的にこれらのプロジェクトは非営利事業で、運営費は慈善団体からの現在のところアメリカの教会より5年分の支援を受けているとのことでした。このプロジェクトに対し、JEANとしても金銭的支援はできないながらもネット上のサイト運営等でお手伝いしていこうと考えています。




翌日、実際に職業訓練学校の様子を見学させて頂きました。下の写真は、裁縫を学ぶ女の子達です。歓迎の歌を歌ってくれている様子です。



以下の写真は、木工技術を学んでいる男の子達の様子です。赤い服を着て教えているのがジェームズです。






また、パソコンやタイプライターの学んでいる学生たちもいました。この地域では停電も頻繁に起こるので、パソコンが使えないときの為にタイプライターでタイピングの勉強をしているようです。インターネットが通っていないため、パワーポイントやエクセル、ワードの練習をしていました。



このように、タンザニアの農村地域では、コミュニティーが主体となって地域の学生に職業訓練を与えるという試みが多くなされていました。海外からの援助を資金とした非営利事業が多い一方で、海外の慈善団体とのアクセスが少ないという現状もありました。そうした課題を克服する為にJEANも、インターネットを用いて、こうした非営利事業の広報のお手伝いができたら良いなと思っています。最後の写真は、ママ達と、ママ達に作ってもらったブティキの服を着たメンバーの写真です。ママたちが腰に巻いているのがカンガです。

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