About Me

イギリスから帰国した日本人大学生が設立。タンザニアとケニアへの訪問で学んだ事をもとに日本と東アフリカをつなぐ活動をする学生団体。共通の分野は開発であるが、細かいジャンルは経済、教育から文化までそれぞれ。今現在タンザニアの小さな村の幼稚園設立プロジェクトに携わっている。メンバー募集中。
Japan East Africa Network is a student organization that has been established for people around the world to be able to get to know east African countries. Each of the members have begun to do his/her own research on their unique topics of local Eastern African people's everyday life.
Japanese website
English website
Details of projects that we have been supporting

Sunday 6 March 2011

UN HABITAT The State of African City 1

UN HABITAT The State of African City  UN HABITAT The State of African City(英語サイトPDFダウンロード可能)上記写真はwikipediaより Kibera slum Nairobi, Kenya



アフリカの都市レポート(英語)で報告されている東アフリカの都市政策の現状について、数回に分けて日本語で紹介したいと思います。

第一部は、東アフリカの都市化

1 人口と都市化

2010年現在、アフリカ全土の都市人口の割合は40%であるのに対し、東アフリカの都市の人口の占める割合は、22.6%である。また、アフリカ全土の都市人口の増加率は年3.3%であるのに対し、世界の都市人口の増加率は2.5%である。2005年から2010年の都市の増加率をアフリカの地域別に見ると、中央アフリカで4.13%,次いで西アフリカが4.05%、東アフリカで3.86%、南アフリカ4.45%、南アフリカ%、1.88%となっている。南アフリカ、北アフリカに関しては、世界の都市人口増加率と比べても低い水準になっている。東アフリカの都市人口は今後10年で3800万人増加し、計1億1600万人になると推定されている。また、2030年までには、三人に一人の人々が都市に住むと推計されている。急激な都市化を受けて、空気汚染などの問題も生じて来ている。首都圏の人口増加を受け、無計画で非効率的な都市構造になりつつあり、第二の都市に人口分散させるなどの取り組みが求められる。元々一極集中型の構造は植民地時代から受け継いだものであるが、もはやそれを言い訳にできない時代になっているのではないか。

2 都市化の問題と貧困

水道
現在アフリカの未整備の都市部に住む40−60%の人が、十分な上水道と下水道にアクセスが無い状態と言われている。上水道に関して、多くの都市では貧困層が路上の業者から質の劣る水を一般の水道水よりも高い値段で購入している状況である。一方下水道に関しては上水道とはまた状況が異なる。アジスアベバ、アスマラ、ダルエスサラーム、ナイロビ、カンパラといった比較的規模の大きな都市のスラムでは顕著な問題となっている。特にナイロビ、カンパラにおいては、「フライイング・トイレ」と呼ばれる、汚物の入ったビニール袋がスラムに積み上げられている状況である。ブジュンブラ(ブルンジ)、キガリ(ルワンダ)あるいはインド洋に浮かぶモーリシャスといった、と言った比較的規模の小さい都市に関して言えば、行政が需要に対して対応しきれている。マダガスカルの首都アンタナナリボは規模が大きい都市であるにも関わらず、総人口85%にあたる190万人の人々が上水道にアクセスでき、70%の人々が、下水道にアクセスできている。

エネルギー
大多数の東アフリカの都市は、木材、木炭、液化石油ガスあるいは、ケロシンが調理用の火力として使われている。木炭、木材の消却やスラムの風通しの悪さを受けて、気管系の病気にかかる人が増えている。これをうけて、タンザニア、ウガンダ、エチオピアなどでは、バイオテクノロジーの使用を模索している。しかし、バイオテクノロジー使用を拡大するには、新鮮な水を作物の生産拡大の必要性がでてきて、水不足に悩む国としては慎重な対応が求められる。


住居
都市部に点在する不法に住無人々に対して、不法滞在の強制立ち退きは今までよく取られていた対応であった。貧困層は発言権が無かったため、容易に立ち退きを強制する事ができた。しかし、強制立ち退きは貧困層のなけなしの資産を奪い行為であり、国際開発団体等からの反対を受け強制立ち退きは見直されつつある。現在では、現存するスラムの質の向上する事で対応を図ろうとしている。ナイロビやタンザニアではスラムの生活水準を高めるプログラムが組まれているが、中流階級層の住むエリアのインフラ向上へより力が注がれ、最も貧困層の住むスラムに関しての対応は各国遅れている。一方、モーリシャスとセイシェルは、東アフリカでも珍しいスラムの無い国として、国民は比較的高い生活水準を享受している。

to be continued

Naoya Saito

Friday 4 March 2011

マダガスカル体験談 Part 2~教育編・フィハオナナ~



マダガスカルを訪問した際にフィハオナナという小さな村も訪問し、現地の小学校の校長先生にお話を伺いました。
校長先生との会話に出てきた、村の小学校が抱える問題をここで紹介させていただきます。

まず村の子どもたちの親は子どもたちを学校にできるだけ通わせたくないといいます。それは子どもたちを労働力として必要ということだけでなく、学費を含む学校への支払いが生活の負担になっているからです。

私達が今回訪問した小学校には、5歳から16歳の子どもが在学しています。経済的な問題に伴う、度重なる移動により、初等教育を修了できない子どもがいれば、家庭がようやく落ち着き、やっと初等教育を受けることができる16歳の生徒もいました。学校では数学、自然科学、フランス語、国語、環境、地理、歴史が必修科目で、生徒たちの親に選ばれた親が、先生として子どもに科目を教えているそうです。1990年までは教師にも資格が必要でしたが、今は必要ないそうです。そして先生の給料は政府からと親から支払わされるそうです。ただ教師の数が極端に少ないため、生徒一人一人に目が届かないという問題があります。生徒335人に対し教師が1人という現状を聞かされたときは驚きを隠せませんでした。なぜなら日本の学校ではこのようなことはありえないですし、UNESCOが指定しているのは教師1人に対して、生徒が40人以下というものです。これらを比べると、フィハオナナの小学校教育いかに大変なのかということがわかると思います。発展途上国の場合、首都や経済の中心となる大都市に人口が集まるため、地方にはなかなか人が集まらないので、先生の数も増えることがありません。今後はどのようにして地方での学校教育を改善するかを、教師を呼び込むためのインセンティブ、教授法、そしてどのようにして地域と学校を結びつけ、子どもたちを継続的に学校に通わせるか、という視点からも考える必要があります。


そして子どもたちの健康の保持も重要な要素の1つです。
健康な子どもは学校での成績もよいという研究結果も出ています。
フィハオナナの子どもたちは靴も履いていないし
着ている服も相当着古していました。
そしてトイレも下水が通っていないので
夏になると気温も上がり、衛生状況がとても悪くなります。
この時期には必ず体調を崩す人が増え、病気にかかる人も少なくはないということです。それにも関わらず、村に医者は1人、看護士が1人、事務員が1人という状況です。保健所の中も見せていただいたのですが、室内でさえ、砂埃が舞い、とても清潔とはいい難いものでした。しかし辺ぴな場所にある村に出向いて村の人たちの健康を守ろうとたくさんの医者が集まってくることはありません。地域の各家庭の水回り、保健所の設備の改善など、健康を促進、維持するためにはまだまだ改善すべきことがたくさんありました。



せっかく小学校を訪問したので
子どもたちと交流をしたかったのですが、
授業があってできなかったので、校長先生に子どもたちの将来の夢を聞いてみたところ、
一番多いのは学校の先生、そして次にパイロット、後は医者、芸能人などでした。

フィハオナナの村ではホームステイをさせていただきました。
夜になると電気が通ってないので
街灯もないし
家の中に電気もないので
家の部屋の中は本当に真っ暗で1cm先も見えない程で
少し怖かったです。笑
昼間はモーターで電力を起こしていました。
停電はしょっちゅうありましたが、現地の方々は
「あ、またか。」といった感じでなれていた様子でした。
日本人としてマダガスカルでの生活は不便なことが多かったですが、
それでいいと思っています。
現地には現地の人々の生活があり、文化があり、伝統があります。
その中で培われた彼らの価値観があります。
私達が私達自身の価値観で彼らのプロパティーに足を踏み入れることは決してしてはいけないことなのではないかと思います。
現地の人々の現地の文化、伝統、生活、を尊重し、その上で私達ができることを彼らと共に探し求めていくことが重要だなと思いました。



以上、
マダガスカル体験談でした。

Junki Nitta

マダガスカル体験談 Part 1~日記編・タナ~

2010年3月にJEANのメンバーのうち2名がマダガスカルへ訪問しました。
私達が実際にアフリカに足を踏み入れたのがこのマダガスカルでした。

ほんの少しマダガスカルという国をごくごく簡単にご紹介させていただきます。

マダガスカルは世界で4番目に大きい島で、島全体が6つの州から成るマダガスカル共和国となっていて、
公用語はマダガスカル語、フランス語、英語ですが、英語は周辺諸国との交流のために2007年に公用化されただけで実際英語を使用する、または理解する国民はほとんどいません。
国のGDPの57%がサービス業、26.4%が農業、16.6%が製造業ですが、
2009年1月から3月にかけて起こった、クーデターで、観光客が激減し、2008年のGDP成長率7.1%に対し2009年は-3.7%と低迷していました。しかし2011年のGDP成長率予想が2.8%なのでこれからの回復の兆しが見えてきたのではないかというところです。

さてさて話を戻して私達のマダガスカル訪問のお話をご紹介させていただきます。
関西空港発で約25時間かけてアンタナナリボ空港に到着しました。
ベルトコンベアの故障で荷物がでてくるまでに1時間、
入国審査で順番を抜かされて抜かされて40分、
ようやく外に出れました。
英語が通じないとやはり不便でした。



アンタナナリボ(以下 タナ)市内のホテルに到着してすぐに暇を持て余したボーイさん達が
荷物を運ぶ"お手伝い"をしてくれました。
チップ制度といいますか、マダガスカル滞在中に何度も遭遇しました。
一度駐車した車にどこからかおじさんがよってきて
「ここは駐車禁止だよ、俺が誘導してやるから」
っていって10mくらい先の別の場所にわざわざ移動させて
「あ、チップくれよ〜」とかですね、ま、いろいろと。

もちろん物乞いもたくさんいました。ホテルをでるとすぐに6人ほどの子どもがたくさんよってきます。
「matin, matin」と言って。
その時点でお金は渡しませんでした。
何度かその場しのぎの援助なんか自己満足に過ぎないと聞かされていたし
確かにそうかもしれないと思っていたからです。
しかし、その日その場での行動で、その子たちが1日でも生き延びていけるなら
それも仕方のないことなのではないかと、考えさせられました。
実際物乞いの数が減らないのは
それで生き延びていける、という現状があるだからなのでしょう。

次に衝撃を受けたのが大気汚染です。
タナ市内を1時間も歩くと鼻の中が真っ黒になるんじゃないかと思ってしまうくらい
自動車の排気ガスや、市場から漂う生臭さ、ゴミの臭いなど諸々が混ざっていて
とても素敵な臭いがしました。

日本では環境問題についていろいろ議論されていますが、
発展途上国では環境問題よりも先に自国の発展の方が重要で
なかなか環境問題には目を向けにくいのか、と感じました。



最後に、そして1番私が衝撃を受け、興味を持ったものが、教育です。
マダガスカル訪問中にずっとお世話をしていただいたのが
アンタナナリボ大学の教授でした。
彼に連れられ、アンタナナリボ大学へ訪問した際に
彼に大学の学費について尋ねました。
日本の私立大学の高額な学費を親に無理矢理払わせている身としては、とても興味がありました。
彼の答えは衝撃的でした。
国立大学の年間の学費は約5000円、
私立大学の年間の学費はその10倍の約50000円。
驚きました。安いですね、と言ったら、
それでも大学に来ない、来れない子がたくさんいるし、
進級できなかったり、家庭の事情とかで、途中で退学してしまう子たちもたくさんいるんだよ。
と寂しそうに答えてくれました。
日本の4年生制大学進学率は09年春時点で約5割で
2人に1人が4年生制大学へ進学しています。
しかしマダガスカルでは中等教育の段階で進学率が30%をきってしまっています。
なぜこういうことが起こるのか
なにが原因でそうなっているのか
どうすればこの状況を改善することができるのか
ということにとても興味がわき、
もともと教育問題に興味を持っていた私は、
これを機に発展途上国の教育問題について知りたくなりました。

(アンタナナリボ大学で現地の学生との交流)

発展途上国に直接足を踏み入れることで、
今まで見えなかったものを5感を駆使して体験し、
現地の方々と直接交流することによって
これからの自分たちにとても大きな刺激を得ることができました。
そして日本人が持つイメージの"アフリカ"ではなくて
もっとアフリカにもすばらしいところがたくさんあるということを
たくさんの人に、とくに日本の人々に知っていただきたい、と強く思いました。

Junki Nitta


references

Global Finace
http://www.gfmag.com/gdp-data-country-reports/228-madagascar-gdp-country-report.html#axzz1Ff61iKOd

大学・短期大学等の入学者数及び進学率の推移(文部科学省、学校基本調査より)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/gijiroku/03090201/003/002.pdf

東アフリカ経済統合インフラ整備が最重要課題

EAC experts devise measures to improve regional infrastructure Daily Monitor

東アフリカ共同体の専門家がタンザニアはダルエルサラームに結集し、周辺地域の北部・及び中部の回廊に関するアクションプランいついての話し合いが行われた。(地図wikipediaより)


(補足 東アフリカは現在ケニア、タンザニア、ウガンダ、ブルンジ、ルワンダの5カ国で経済統合が進んでいる。現在は関税同盟段階である。関税同盟とは経済統合の一つの段階であり、締結国は第三国に対して同様の関税政策を採用することが条件である。現在日本で盛んに議論されているFTA(自由貿易協定)は関税同盟よりもワンランク下の概念で、締結国間の関税撤廃までは関税同盟と同様であるが、第三国に対する関税政策は各国の裁量で決定できる点で、関税同盟とは異なる。2001年にケニア、タンザニア、ウガンダにより結成されたEACは2007年にルワンダ、ブルンジを向かえ、2007年にはEUとEPA締結している。)


EACで最大の課題になっているのは、インフラ整備である。モンバサ、ダルエルサラームといった大きな港町があるケニアとタンザニアとは対照的にウガンダ、ルワンダ、ブルンジのは内陸国である。内陸国であるために、輸送コスト分が非関税障壁となっている。ウガンダは肥沃な土地で作物も盛んにちれ大変豊かな国であるが、最大の港までの輸送コスト。また、国境を越えなければならないことでさらに輸送の煩雑さが増している。そこで開かれたのがこの度の会議。タンザニアの交通大臣は、この10年間タンザニアが560kmに渡る道路を敷設し、交通の利便性が上がった事を引き合いに出して、物流インフラの重要性を説いた。現在タンザニア・ダルエスサラームを拠点に、南アフリカダーバンまで延びる大回廊構想が推進され、EACだけでく、COMESASADCといった共同体に加盟する計7カ国にまたがる予定で期待が寄せられている。


Naoya Saito